■合宿研究会報告
日時:2002年3月8日(金)〜9日(土)
場所:富士通保養所/ビィラ伊豆
参加者:38名(会員・非会員) 基調講演にはトロンの坂村 健先生をお招きしました。また、「これからのIT社会におけるアーゴデザインの役割」をテーマに、モバイル、ユビキタス、公共情報を切り口として講演とグループ討議を行い、大きな成果を挙げることができました。
合宿研究会テーマ
「これからのIT社会におけるアーゴデザインの役割」
基調講演:東京大学大学院 情報学環 教授・坂村 健
テーマ講演:
1. モバイル環境におけるアーゴデザイン:広島国際大学教授 田村 博
2. ユビキタス環境におけるアーゴデザイン:松下電器産業(株) 中 基孫
3. 公共情報環境におけるアーゴデザイン:慶應義塾大学講師 渡辺朗子
グループディスカッション:
1. モバイル環境におけるアーゴデザイン
2. ユビキタス環境におけるアーゴデザイン
3. 公共情報環境におけるアーゴデザイン
基調講演
坂村健先生(東京大学大学院 情報学環 教授) |
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島津製作所ITセンター
新家 敦 |
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▲基調講演の坂村先生 |
坂村先生はコンピュータアーキテクチャーが専門のTRONプロジェクトリーダー。コンピュータの利用技術からLSIの設計まで、また建築設計も手がける多才の人である。
今回の講演では、コンピュータ全般の話から同氏が手がけた電脳住宅、デジタルミュージアムについて語られた。
1.TRONキーボードと電子ペン
現在のQWERTY配列型キーボードは使いにくい。これは100年以上も前のレミントン社が発売したタイプライターに端を発する。当時の機械加工精度では高速打鍵が不可能であり、わざと打鍵速度を遅らせるためにアルファベットの利用頻度を元に「打ちにくく」設計したためとのこと。これはこれでちゃんとした設計指針である。
モールス符号では、アルファベットの利用頻度を元にして良く使用される文字ほど短い符号になっていることが知られている。和文モールス符号ではこのような指針がなく、単に表面的に符号を割り当てたために、非常に使いにくくなっていると批判された。
TRONコンピュータ用のTRONキーボードでは、最新の技術を使えるため、打鍵速度の制限を考慮する必要がなく、文字の利用頻度に合わせたキー配置を行い、扇形のキー配列としている。キーを叩く各指の負担が均等になっているとのことであった。
ポインティングデバイスの一種であるマウスは絵を描くには使いにくいデバイスである。このため、TRONキーボード中央部にタブレットを配置し、電子ペンを利用できるようにしているとのことであった。
世間では報道されないが、頸肩腕障害が増加している。これはQWERTYキーボードとマウスが要因であるとのこと。なお、このようなキーボードを製造するには非常にコストがかかり、限定数量しか製造されなかった。中にはこのキーボードにほれ込み、今後の人生で利用するために十分な数を確保した人もいるとのことであった。
2.組み込みコンピュータ
現在の携帯電話で利用されているOS(Operating System)はほとんどTRONになっている。特にNTT DOCOMOは100%TRON
OSである。また自動車に組み込まれることもあり、トヨタ自動車は全数TRONとなっている。
今のコンピュータが使いにくいのは大半がOSに原因がある。OSを作るにはLSIレベルから開発する必要があるため、TRONではLSIの設計まで行っている。またコネクタも重要な部品であるとのことであった。
ものごとがうまくいかない場合には、障害が起こっているレベルで問題解決を図ることを考えるよりも、基本原理に立ち返って考えた方が良いとされたが、これはアーゴデザイナーである我々にも当てはまる考え方の指針であろう。
3.TRONハウス
建築設計を手がける坂村先生は多くのコンピュータを住居に埋め込んだTRONハウスを試作している。1000個のコンピュータを住居のあらゆる場所に配置し、それを利用することで自律制御される居住空間を創出している。
坂村先生は、閉空間にてコンピュータに強制空調させるビルではなく、コンピュータが窓の開閉を制御することで、自然空調のできる空間を目指した。コンピュータはできるだけ目立たせないように設置してあり、一目見ただけではそれがコンピュータ制御の住居であるとは認識できないものになっている。メインコンピュータも地下に設置したとのこと。
なお、あらゆるものがコンピュータ制御されるTRONハウスでも、掃除だけは自動化できなかったそうである。
4.マルチモーダル
少し前までは、電話は聴覚障害者にとって価値あるものではなかった。今の携帯電話はマルチモーダル化が進み、着信時のバイブレーション機能、電子メール機能などが付いたため、聴覚障害者にとって非常に便利なものとなっている。
5.どこでもコンピュータ
家電だけではなく、壁や家具や床にまでコンピュータ、センサ、アクチュエータが内蔵され、制御できるようになると協調させるためのルールが必要になる。
大事なのは、すべてがネットワークに接続されているということとのことであった。
6.イネーブルウエア
障害者の不自由さは絶対的なものではない。どんな人でもミスマッチを起こしうるが、そのミスマッチを環境側から解消するのがイネーブルウエアである。
米国の法律ADAでは、13インチ以上のテレビには字幕が出なければならないと定めている。法律で定められると、対応しなければ売れなくなる。このため全てのテレビが字幕装置を付けることになった。全製品に付けたため量産効果で安価な装置となった。もし、これが単に指針であったなら、字幕装置をつけた製品は高くなり、売れないままであっただろう。坂村先生は法律化が重要であると説いた。
企業がイネーブルウエアに消極的なのは、コスト面ではなく、単に設計者が知らないだけということが多い。障害者がどういうことに困っているのか、知ればすぐに対応できることも多いとのことであった。
便利な施設は障害者だけでなく健常者にとっても便利である。これは経済的な弱者をターゲットにした製品を目指すのではなく、強者にとって便利な製品を作ることでまず強者にお金を出させること。そうすることで弱者である障害者を利することができるようになると、スウェーデンの故パルメ首相の言葉を引用されて解説された。
| モバイル環境に於けるアーゴデザイン |
| (広島国際大学教授 田村 博先生) |
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サントリー株式会社 SCM本部物流部
佐々木 園子 |
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▲公演中の田村先生 |
広島国際大学の田村先生の講演は「エレガントユーザビリティ」と大書された画面が映し出されて始まった。エレガント!? これまで私は「ユーザビリティ」という語に"エレガント"という形容詞をつけることなど考えてみたこともなかったので、思わず引き込まれた。
まずはコンセプトの整理。画面には、左側に「多様性Utility」「使用性Usability」「使い易さEase of Use」「利用者親切User
Friendly」「利用者満足 User Satisfaction」が補足の語句とともに列記され、これら5つの言葉の右側には「社会的受容性Social
Acceptance」と「愛すべき環境Lovable environment」の2つが枠で囲まれている。(この部分は図解できるといいのですが・・・)
技術進歩は個人のニーズや欲求を次々と満たしているが、その一方で、忘れてはならないことへの警鐘のようである。「社会的受容性」とは、電車の中や教室でケータイを使って会話したりメールを読んだり書いたりといったことか、では、「愛すべき環境」とは?「エレガントユーザビリティ」とのつながりは?と考えているうちに、「利用者の多様性」「使用性の枠組」「無人島の使用性からの脱却:売り切り企業→サービス企業→環境企業」「使い易さとその評価」「ユニバーサルデザイン」と講演はずんずんと進み、画面には「上品な用品Elegant Appliances」という言葉が現れた。
「上品な用品」とは「所持者の自己表現、誇り、連帯」「所持者の精神負担が少ない」「周囲への迷惑が少ない」「持っていても緊張を強いない」「所持者を驚かせ、強制しない」ことであるとし、「レベル0の上品さ」「レベル1の上品さ」「レベル2の上品さ」と講演は進んだ。
「レベル0」の説明は電話の着信音をとりあげ、過去から現在までの身近な事例が紹介されたので、懐かしくもあった。L0.0(レベル0の0)とは、昔の電話機の呼び出し音が全国どこでも同じ音、同じ音量だったこと。そういえば受話器を頭に載せたようなデザインの黒いダイヤル式電話機は「任務遂行!」といわんばかりに「リーン!リーン!」と元気よく着信を知らせていた。
L0.1?0.8では技術が進むにつれて呼び出し音の音量が調節できたり、マナーボタンがついたり、音質・メロディーを選ぶことができるようになったり、メールやアラーム、日程表などの使い方もできるようになったりという変化が示された。L0.9は「緊急度の高い信号があった場合は抑制が解除される。緊急避難」とある。
「緊急度の高い信号」というのはどのようなものが想定されるのであろうか? だれがそれを判断するのであろうか? 解除が求められる抑制とはどんなものだろうか?
それまで、事例の懐かしさにニコニコしながら聴いていたが、ここに至って私の頭のなかには「?マーク」が続々と現れた。さらに「レベル1」「レベル2」の上品さは理解するのが難しい。「レベル1」「レベル2」の上品さが関わる事象そのものがまだ普及していない最先端あるいは未来のことがらであり、「上品さ」の社会的コンセンサスはこれから時間をかけて作り上げていかなければならないものであろう。
田村先生の講演を拝聴して、これからは個人のニーズや欲求のままに便利さを追求するのではなく、より広い視野でユーザビリティのエレガンスを極めていくことが必要であり、それが21世紀を生きる私たちが創る文化ではないだろうかと考えた。未来から今の時代を振り返ったときに、便利なものを駆使しながら質の高い生活を形作ってきたことに満足し、それが未来の未来まで続くように知恵と努力を傾け続けたことを自負できるようでありたいと思いますが、いかがでしょうか。
| ユビキタス環境におけるアーゴデザイン |
| (松下電器産業(株)中 基孫 氏) |
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GKデザイン機構
佐々木 進
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▲公演中の中氏 |
講演の概要
工業化時代に入ってのちの情報社会は、家庭電化製品(家電)開発の視点から見るとき、次のような流れをたどって来た。
その1「電気利用社会」 光熱への変換という初歩的な電気利用による家電は、家庭や職場の環境を飛躍的に効率の高い清潔なものにした。加えて電池の開発と普及はこの環境を更に動的なものに進化させた。この環境構築の延長線上で、電気は有線の電信・電話や信号灯などの情報装置に利用された。
その2「放送文化社会」 1901年、マルコーニ(イタリア)が進めていた無線通信の開発が、大西洋横断通信に成功してのち、情報世界では放送文化が急速に展開する。聴覚に訴えるだけではあったが、ラジオの普及は世界の諸地域の間に横たわっていた距離感覚に変革をもたらした。更に放送文化は、視覚にも強く訴えるテレビを登場させることによって、人々のイメージ体験を増大させた。放送文化社会にあって、ラジオそしてテレビは家電の華でもあった。
その3「デジタル情報社会」 音・色・文字をはじめとする全ての情報内容を統一的に記号化するシステムは、20世紀後半のパーソナル・コンピュータの一般化とともに、世界の人々の知識と知恵の間に共有感覚を通した結びつきを芽生えさせた。
その4「情報交流社会」 21世紀、私たちは情報の授受をユビキタスに(ubiquitous : いつでもどこでも)行うことのできる環境に生きようとしている。情報の授受を受け持つ道具は、重力のしばりから離脱した装身具のスケール(wearable)で軽快な使い方を目指すだろう。
ユビキタスな情報環境は、20世紀におけるメイン・フレームとしてのパーソナル・コンピュータとプロバイダなどのサーバを中心に築かれるwebシステムから、個的なサーバと家電が融合して醸成されるネットワークへ移行していくだろう。
このネットワークが活きる人間活動空間は、住居・職場空間やモバイル空間は勿論のこと、クルマ空間もこれに加わる。
そして、このユビキタス情報環境を構成する家電の中心には、放送文化社会の華であったあのテレビが、マクロからミクロに至る様々なスケールのもとで、新たな力や細やかさを持つ働きと、その働きに対する使いやすさの魅力とともに、再び位置するのではないだろうか。
家電にかかわるアーゴデザインの役割は、その魅力の内容を的確に評価し、その魅力の方向づけが人々の願いと良識に沿うよう、支援することにあるだろう。
講演に接して
中氏の講演は、情報の歴史にかかわる豊富な資料とともに、私たちが日常の生活で親しんでいる家電の世界を通しての、大変わかりやすい示唆に富むユビキタス情報環境の未来像に関するお話しであった。
さて、私たちの日頃の研究・創作活動は、家庭や職場の環境の中に何らかの秩序ある領域をひろげていこうとする努力である。しかし私たちが提案・実現させた秩序が、この広く深い世界にあっては、私たちの意識の外で新たな無秩序を生んでいるかも知れない。
情報のユビキタス環境の構築は、複雑精緻なアルゴリズムとプログラミングを通して行われる極めて高度な秩序の構築である。ところが、情報交流の「いつでも、どこでも」を実現させる秩序の追求が、一方で、人・家庭・地域・国などの特性ある文化の山々を崩壊・無秩序化するという矛盾を含んでいる可能性もある。
ユビキタス情報環境時代のアーゴデザインに与えられる大きな課題の一つは、異なる文化の間の交流を円滑に行う方法が、それぞれの文化の確立にも寄与するという、バランス感覚に富んだ、「もの」のシステムや形の標準化を探索することであろう。
| 公共情報環境におけるアーゴデザイン |
| (慶應義塾大学講師 渡辺朗子先生) |
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株式会社ホロンクリエイト
児玉 京子
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▲公演中の渡辺先生 |
「サイバードスペースデザイン論から公共情報環境を考える」
CYBERED SPACE と定義されたのは、「電子上のサイバースペースが装着された実空間「電子メディアが装着された環境デザインの研究」である。講演は情報と場の関係を19世紀以前まで引き戻して大きな潮流を導きだし、そこで新たに、炙り出された「現代」における情報と人間との関わりを分析した序文と、実際のプロジェクトの説明を通して、先生の定義するサイバードスペースデザイン論の一端を紐解いていただいた。
1.歴史的に見る情報媒体の変化に伴う人間環境の変化
------「知識」と「場」------
人間環境系から見た電子情報→電子でもない、電機でもない、知識なのだ
「これが あれを 滅ぼすだろう −ヴィクトルユーゴ」
聖書が印刷される前は、教会に情報が入っていた、教会は情報の媒体としての役割を持っていたが、聖書が印刷されたことにより、教会に足を運ぶ必要がなくなった。
工業社会になった19世紀から、職住が離れたが、近年になり通信が発達したことで再度、住職遊が接近した。
2.ネット社会
知識資本社会の構築が始まっている。
バーチャルとリアルの共存した物を体験している私たち、たとえばメールと実際に話すこととが異なる性格を持った物としてパラレルでコミュニケーションが成り立っている。
ユビキタス、24時間、地球時間、ネット時間といったように、いつでもアクセスできる情報源、コミュニケーションツールを持つことにより、時間の概念もシフトしている。
「空間から環境セットへ」
人間が所有する場を作り出す発想も、空間から、人間の行動や活動に合わせて、環境がセットされるという方向になっている。それは機能融合した人間環境方向から見た電子情報活動の捕らえ方であり、人工物緩急 自然環境 情報環境 社会環境の多重の視点から把握しなければならない。人間と人間 社会環境がかかわってくることになる。
3.知的創造のための場の条件
「アーフォーダンス理論」
(http://www.hotwired.co.jp/cave/work/w01004.html)
アメリカの認知心理学者JJギブソンによって提唱された理論、生態学的に環境と人間の行動を捕らえたもの。環境そのものに埋め込まれた情報を媒体に、人間の動的な活動から操作
可能にするという新しい視点。これらの視点が、人間が知的創造を行う場はどうあるべきかを、考える際の先生の一つの発想の基盤になっている。
情報環境を持つ環境のデザイン
知的頭脳労働者の仕事場のデザイン
創造的な仕事場の環境デザイン
アランケイ----「人間にはコミュニケートする、ファンタサイズする、という2つの欲求がある」
・知的創造空間の条件
ファンタサイズ---新しい情報の生成、没頭できる環境
コミュニケーション---情報の伝達・交換する環境
アーカイブ・デポジタリー---情報の収集、蓄積や保存する環境
タイヤレス---疲れさせない環境
{上記キーワードを元にデザインした場所のスナップ紹介}
4.実例紹介
<コンペ>
・公共の情報端末のテーマで、3テーマ紹介をいただいた。
----街を歩いて、ある地点にくると持ち歩いている携帯機器に反応して、 情報が入ってくるというもの。
---公衆電話で本が借りられる
あまり活用されていない公衆電話に情報を加える 「こういうときかならずでてくるのが、性善説、性悪説の話ですね。」
---虫
街に虫(ハード)を放ち、虫たちに街で流れている、自分好みの情報を取らせてくる。ポエジーな要素を持った作品
<G−SEC lab>
先生プロデュースで、慶応キャンパスにマルチメディアを使用したラボを造るという大きな命題に取り組んだ、G−SEC labミッション。
「21世紀新しい学問の地平線を切り開く学術装置としての場」というテーマでデザインされた、人文社会系におけるラボ。
過去のデータからリアルタイムデータ対象にした研究などを行う、また、「突発性機器問題」における意思決定の場としての役割も担う。
これら、既存の例の無い、新しい空間概念を持った場の創造に対しての、空間コンセプト、家具コンセプトを打ち出し、そこに存在するであろう人達の知的創造のポテンシャルを最大に引き出す場を、各企業、受託デザイナーとのコラボレーションにおいてプロデュサーという立場で開発していった。
デポジタリー・アーカイブでサーバーマシンエリアも視覚的に意識してガラス張りとし、自然とブレストが始まる可変性を持ったフレキシブルな家具類。タイヤレスな質感、色を持った空間性。また、多くの同期、非同期、異なる発信元の情報を共有して、意思決定が行えるよう、メタブラウジングを可能にした、16面の大型ディスプレイ。。。などなど、「未完の舞台」として、人が情報を交換してコラボレーションしていく、知の導線がスムーズにいきかう自在な装置が作られた。
5.これからの公共環境デザイン
人文----社会性の考慮が必要になってくる。
機会のアナロジーに対して、生命体のアナロジーに注目を
・人間の行動や活動に合わせて環境がセットされていく
・皮膚感のようなもの
・活動デザイン
・情報デザイン(豊かさ)
・空間・場(身体、体験性)
パーソナル←→パブリックの価値観が変わったことによる、変化を見落とさないように
人間工学→人間情報学と呼ばれるような要素を加えて考えていかなければならない
*人間情報学-人間が情報と接する際における、情報量、継続時間等の観点からみた疲労度など。
6.感想
渡辺先生は非常に素直な目線で、今、を肯定して理論づける。見落としてしまいそうなさりげない日常性や感覚も、実は、大切なエレメントとして位置付けを持たせ、心地よく効率的な知的創造の場、ひいては、今まっさらな状況の、情報融合空間の新しい定義の中に織り交ぜていくようだ。サイバードスペースデザイン論と論じられたものが、心地よいのも、日ごろ見落とされて、抑制された部分が救われる気持ちになるからである。
自分自身、インターフェイスデザインの中で、常日頃人間―物という関わりを、再度掘り起こす作業をするシーンに出会うことが多いが、環境(建造物)というもう一膜外側の視点から、人間と情報の関わりを捕らえた事がなかったので、大きな視点を持ち得ることができた。
知識、情報のあるところには、すなわち、人が介在し、また相互関係が生まれ、社会ルールが確立していく。先生のお話にもあがったアランケイ氏の「演算処理機として」のパソコンではなく「人間の思考を増幅するツール」と捕らえる様に、私たちがデザインする物の中に本当の意味や可能性をみいだしていければと思う。また、最後に人間工学に情報工学の分野が入らないといけないという先生のご意見に納得した。現象に引きずられるのではなく、現象をいち早くリードして捉え、理解し、人間性の高い社会になるように働きかけること、アーゴデザイナーとして自覚を持って励んでいければと思う。
 
■ユニバーサルデザイン実践ガイドラインを発表
2002年度日本人間工学会全国大会・アーゴデザイン部会主催シンポジウム
去る6月1.2日に行われた今年度全国大会で、以下のとおりUD実践ガイドラインの最 終版を発表しました。会場では来場者からさまざまな意見、進言が活発に交わされま
した。この成果をもとに、日本人間工学会の理事会で承認を戴く予定です。
以下に当日のレジュメを掲載しましたので、ご参照下さい。
| ユニバーサルデザイン実践ガイドラインの最終報告 |
| 主催:日本人間工学会アーゴデザイン部会 |
| 司会:堀野定雄(神奈川大学) |
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はじめに(序文) 日本人間工学会アーゴデザイン部会 部会長 堀野定雄(神奈川大学)
日本人間工学会・アーゴデザイン部会のユニバーサルデザイン研究活動履歴
「ユニバーサルデザイン実践ガイドライン」の概要(まとめ)
アーゴデザイン部会UD・WG 発表
■平成14年度 コンセプト事例発表会
日時:2002年9月13日(金) 午後1時〜午後5時
場所:東京芸術劇場 中会議室
今回は外部から「UD生活者ネット」の皆さまの消費者の立場からの発表など、8件の有意義な発表が行われました。 それぞれの発表に対して活発な討議が展開されました。
| 1. |
エレベータにおけるユニバーサルデザインの取り組み
青木謙一・豊田浩則(フジテック株式会社 技術本部) |
| 2. |
UDマトリックスの活用
安藤智幸・水谷政雄・谷口愛弓・山崎淳司・藤川眞裕子・山岡俊樹(和歌山大学 システム工学部 山岡研究室) |
| 3. |
変化するシーズに対応した操作性開発の取り組み
三澤直加(ノーバス HMIデザイン) |
| 4. |
ユーザーが持っている電化製品の操作手順に関する知識
岡田 衛・松延拓生・山岡俊樹(和歌山大学 システム工学部 山岡研究室) |
| 5. |
マンガン乾電池の逆装着液漏事故と防止対策
嘉多大作・市川大介・堀野定雄(神奈川大学 経営工学科 人間工学研究室) |
| 6. |
申込書記入面のユーザビリティ評価
村松 敦・吉岡英俊・松延拓生・山岡俊樹(和歌山大学 システム工学部 山岡研究室) |
| 7. |
UPA(Usability Professonals' Association)参加報告
奥泉直子(ユー・アイズ・ノーバス 海外情報担当) |
| 8. |
生活者の視点からユニバーサルデザインを考える
島津淳子・大矢野由美子・角田季美枝(NPO法人 ユニバーサルデザイン 生活者ネットワーク) |
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